ZEHとは、住宅で使用するエネルギーの消費量の収支をゼロにする家のことです。この記事では、ZEHの概要や注目を集める背景、ZEHの種類、メリット・デメリットなどを紹介します。また、ZEHには補助金制度も用意されているため、補助金制度の概要や富士市で利用できる補助金なども取り上げています。これから住宅を建てようとしている方は参考にしてください。ZEHとは引用元:photoACZEHとは、「Zero Energy House」の略で、それぞれの頭文字をとってZEHと呼ばれています。読み方は「ゼッチ」です。簡単に言うと住宅で使用するエネルギーの収支をゼロ以下にする家となります。ZEHでは、太陽光発電などを使ってエネルギーを創る、断熱性能を高める、効率のいい設備システムを導入することで省エネルギーを実現し、エネルギーの使用量をカバーします。ZEHが注目を集める背景ZEHが注目を集める背景には、エネルギー消費量の多さが挙げられます。エネルギーの消費と聞くと大企業や工場などをイメージする方も多いかもしれませんが、実は住宅でのエネルギー消費も少なくありません。住宅のエネルギー消費を減らすことができれば、日本全体の消費量にも大きな影響を与えることとなります。ZEHの設備例ZEHではさまざまな設備を使って省エネルギー、創エネルギーを実現します。具体的な設備の例は以下の通りです。太陽光発電再生可能エネルギーの導入を可能にするエネルギー計測装置電気やガスの使用量のほか、太陽光発電でどのくらいの発電をしたのか計測する外皮の断熱および日射遮蔽高断熱化することで日射熱を防ぐこのように、さまざまな設備や材料を使うことで住宅のエネルギー消費量を抑えます。ZEHの種類ZEHにはいくつかの種類があるため、ZEH住宅を建てる場合はそれぞれの違いを理解しておくことが大切です。ZEHの種類は以下の通りです。種類条件ZEH(ゼッチ) 断熱と省エネによる省エネ率が20%以上ZEH+(ゼッチプラス)断熱と省エネによる省エネ率が25%以上ZEH Oriented(ゼッチオリエンティッド)断熱と省エネによる省エネ率が20%以上Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)断熱と省エネによる省エネ率が20%以上Nearly ZEH+(ニアリーゼッチプラス)断熱と省エネによる省エネ率が25%以上断熱や省エネ、創エネによって省エネ率を高める点は共通していますが、具体的な数値に違いがあるため注意してください。ZEHに欠かせない要素引用元:Pixabay先ほどから触れていますが、ZEHにおいて「省エネ」「断熱」「創エネ」が欠かすことのできない要素となります。ZEH住宅を建てると補助金を受けることができますが、補助金を受けるためにも、この省エネ・断熱・創エネの3要素を満たしていなければなりません。ここではそれぞれの要素の概要を紹介します。省エネ省エネとは省エネルギーの略で、エネルギーを大切に使い節約することです。ZEHにおいてはHEMSを利用することで電気の使用量や太陽光発電による発電量などを確認することで省エネの実現を目指します。また、LED照明の利用や省電力で稼働する冷暖房、換気システムの導入なども省エネを実現するうえでは重要です。断熱断熱とはその名の通り「熱を断つ」ことです。住宅の場合、断熱性能を高めることで外気の影響を抑えることができます。具体的には、断熱材を使用して性能を高めます。断熱性能が高くなれば冬は寒さが室内に入ってきにくくなり、夏は暑さが入ってきにくくなるため、冷暖房の使用を減らすことができ、省エネにつながります。創エネ創エネとはエネルギーを創ることです。ZEHは、エネルギー消費の収支をゼロにするため、消費エネルギーを少なくするだけでなく、エネルギーを創ることでもカバーする必要があります。具体的には、太陽光発電のようにエネルギーを生み出す設備を利用します。ZEHのメリット引用元:photoACZEH住宅を建てることでさまざまなメリットを得られます。ここでは具体的なメリットを紹介します。住宅を建てようとしている方で、ZEHにするかどうか迷っている方は参考にしてください。光熱費削減ZEHでは、省エネ・創エネに取り組むこととなるため、高熱費の削減が期待できます。断熱性能を高めることで冷暖房の使用量を減らす、HEMSを使って電力の使用量を把握し、不要な部分がないかチェックするといったことができるでしょう。非常時の電力になる太陽光発電設備とあわせて、電力を蓄えることができる蓄電池を設置しておけば、緊急時の電力として活用できます。例えば台風や地震などで停電になった時でも蓄電池に電力を貯めておけば証明をつける、スマートフォンを充電するといったこともできるでしょう。売却できる太陽光発電装置を使って創った電気は電力会社へ売ることができます。そのため、省エネ・創エネができるだけでなく、収入を得ることもできます。得たお金を電気代の支払いに回せばさらに光熱費を削減することもできるでしょう。ヒートショック対策になるZEH住宅は断熱性能を高めているため、部屋同士の気温差が小さくなる点が特徴です。そのため、気温の変化によって血圧が上下し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす恐れのあるヒートショックのリスクを抑えることができます。例えば、冬場に暖かいリビングからお風呂に入るために脱衣所に行って服を脱いだ時、温度差が大きいためにヒートショックが起こる可能性があります。断熱性能を高めたZEH住宅ではそういったリスクは軽減されるため、健康面でのメリットももたらしてくれます。ZEHのデメリット引用元:PixabayZEH住宅はメリットの一方で少なからずデメリットも存在します。ここでは具体的なデメリットを紹介します。メリット・デメリットの双方を理解したうえでZEH住宅の建設を検討しましょう。天候の影響を受けやすいZEH住宅では太陽光発電装置を使ってエネルギーを創るため、天候の影響を受けやすい点に注意しなければなりません。例えば梅雨で雨の日が続くと発電量が少なくなるため、安定した電力を得られません。導入コストがかかる断熱性能の強化や太陽光発電装置、HEMSなど、ZEHではさまざまな設備が必要となるため、どうしても導入コストがかかってしまいます。一方で、長期的に考えるとコストを回収できる可能性は十分にあります。また、近年では設置にかかる費用も下がってきているため、予算を踏まえてしっかりと検討することが大切です。ZEHでは補助金制度も利用可能引用元:PixabayZEH住宅では、国土交通省・環境省・経済産業省の連携によって行われている補助金制度があります。ここでは補助金の概要を紹介します。補助金申請の流れ補助金を申請する場合、以下の流れで手続きを行います。ZEH認定ビルダー・プランナーに相談する金融機関によるローン審査を受け、審査通過後は契約を結ぶZEH補助金の申請をする審査を経て交付が決定する着工ZEH住宅完成後に実績報告書を提出する補助金の入金 大まかな流れは一般的な住宅を建てるときと変わりありませんが、その間に申請や報告書の提出が必要となります。また、補助金は公募期間が定められているため、期間内に手続きが終わるようにスケジュールを調整してください。補助金利用時の注意点補助金を申請する場合、「ZEHビルダー」「ZEHプランナー」に登録されている会社を利用しなければならないため注意してください。ZEHビルダーはハウスメーカーや工務店などが、ZEHプランナーは建築事務所などが該当します。登録されていないビルダーやプランナーを利用すると補助金の利用対象となりません。また、補助金の申請をした後は間取りの変更や設置する機器の変更はできません。これは申請した内容通りに建築しなければならないためです。以上の点を踏まえると、ビルダー・プランナー選びから設計まで入念に行う必要があるでしょう。富士市の補助金引用元:PixabayZEH住宅に対する補助金制度は富士市でも行っています。ここでは富士市の補助金の概要を紹介します。補助対象補助対象となるのは、戸建て住宅でZEHに該当する新築物件です。令和5年の場合、第1期の申請期間が4月1日から6月30日までとなっているため、申請期間を間違えないようにしてください。また、補助金額は依頼する事業者によって異なります。本社が富士市内にある事業者が施工している場合、補助金額は10万円となりますが、市外の場合は5万円です。提出書類申請にあたっては、いくつかの書類を提出しなければなりません。まず、着工前に提出する書類は以下の通りです。事業計画書契約書又は見積書の写し「ZEH」住宅の仕様がわかる書類宣誓書BELSの評価書の写し(ない場合は「補助対象要件確認書」を提出)補助対象要件確認書また、工事が完了し実際に居住を開始してから提出する書類は以下の通りです。交付申請書領収書及び請求内訳書の写し事業実施後の写真(断熱材、照明、空調、給湯器、太陽光発電設備など)住所確認書類(運転免許証など)市税の完納証明書(発行から3か月以内のもの)クールチョイス賛同書住宅の位置図BELSの評価書の写し(事業計画書提出時に補助対象要件確認書を提出した方のみ)静岡県でZEH対応の住宅を建てられる工務店・ハウスメーカー引用元:イデキョウホーム株式会社公式ホームページここでは静岡県内でZEHに対応した住宅を建てられる工務店・ハウスメーカーを紹介します。ZEH住宅の建設を検討している方は参考にしてください。イデキョウホームイデキョウホームは、富士市・富士宮市を中心に、静岡市や沼津・三島エリアなどで注文住宅やリフォームを手がけている会社です。同社では、ZEH以上の基準を全ての住宅の標準にしたいと考えています。具体的には、外皮の性能を示すUA値(値が低いほど断熱性能が高い)において、0.46以下を目指しています。また、今後は太陽光発電を全ての住宅に標準搭載すること、北海道レベルの断熱性能の実現を掲げている点も特徴です。株式会社 寺田工務店株式会社寺田工務店は、静岡市駿河区でサービスを展開する一級建築士事務所です。地域に密着した地元の工務店だからこそできる家づくりに取り組んでおり、住宅性能はもちろんのこと、土地の特徴を踏まえた住宅設計を行っています。また、同社の住宅はZEHよりも断熱性能が高いHEAT20 G2が標準仕様となっている点も特徴です。そのため、高気密で高断熱を備えた住宅で快適な生活を送ることもできるでしょう。東海住宅株式会社東海住宅株式会社は、静岡県榛原郡吉田町で地域に密着したサービスを展開する工務店です。その歴史は長く、1970年から50年以上にわたって家づくりに取り組んできました。注文住宅からリフォームまで、家づくりに関することなら幅広く対応しており、施工実績は豊富です。また、同社では2025年までに100%の住宅をZEH住宅にすることを目標に掲げています。まとめ引用元:株式会社寺田工務店公式ホームページ今回は、ZEHの概要や種類、メリット・デメリットなどを紹介しました。ZEHは住宅のエネルギー消費の収支をゼロにする家のことです。いくつかの種類がありますが、省エネ、創エネ、断熱という3つの要素を兼ね備えている点は共通しています。また、光熱費の削減やヒートショック対策にもなるなど、ZEHのメリットは少なくありません。補助金制度も用意されているため、これから住宅を立てようとしている方はZEHを検討してみてはいかがでしょうか。